秋分の昼と夜

(協同組合通信/日和見弾)     14.09.18
 
 今年は、9月23日(月)が、24節気で言う秋の中間の秋分にあたる。 
 働き者の国民に振替休日のボーナスがある。何かと忙しない日々の中で、ちょっぴり自己を取り戻す、憩いの日がやってくる。

 太陽が天球を1年かけて移動する軌跡を黄道と言う。天文学では、この黄道上を、太陽が北から南に移動する時に、天の赤道と交差する秋分点にある、一瞬の時刻を表す。この瞬間を含む1日が秋分の日で、現行暦では9月23日頃となる。

 今年は旧暦(太陽太陰暦)の8月23日で、秋の中間というより、夏の終わりの頃だ。巷間伝えられている「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉の意味が実感を伴ってくる。日本の四季の感覚には旧暦のもつ意味が大きいと感じる日でもある。
 
気象で、冷房デグリデーという言葉がある。おおよそ、日々の平均気温が24℃以上の時に冷房を入れる日数を積算し、冷房に関わるエネルギー消費量を見積もる指数のこと。

 秋分の日を境に、とりわけ東日本以西では、クーラーが不要となる頃と考えると今の日本人には分かりやすい。
 今夏は、7月20日に関東、東海、近畿、四国地方の梅雨が一斉に明けた後、各地で猛烈な暑さが記録されたので、電力に占めるクーラーの消費量が相当多かった筈だ。昨今、低調傾向にあったビール類の売上も持ち直したそうで、胃袋は大変であったろうが、関連業界は潤った。

 虫の声も、去り行く夏を惜しむかの如きツクツクボーシが途絶えて来、カンタン等の涼やかな音色に変わって来た。野良仕事帰り、塾帰りの疲れを癒し、夜の一時を楽しませてくれる。
 多くの農家では、今年の作物の収穫を迎える準備に余念がなく、1年で最も多忙かつ身の引き締まる時期だ。

 少し意外な気がするだろうが、実は秋分の日(春分の日も)は昼と夜の時間が同じではない。この事は、各地の日の出と日の入りの時刻を調べると直ぐに分かる。ちなみに、今年の9月23日の東京の日の出は5時29分、日の入は17時37分である。即ち、昼の時間の方が、16分長いのである。東京の昼夜がほぼ等しくなるのは、3日後の26日である。



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